静かに...


なんと。大変近しい人から甲状腺癌になったと告白された。それも年明けてからメールでのやり取りはしていたが、会うのは2008年初めてのその日にである。彼女は修士論文を終え口頭試問も済んでおり、卒修論発表会の当日にゼミ室にやってきたところで会った。「御久しぶりですー。論文お疲れ様でしたー。」と挨拶すると「今年初めてですねー。どうもありがとうございますー。先生、私甲状腺癌になっちゃった。」とサラリと言われてしまった。学校に来る道すがら、捻挫でもしたかのように言われてしまって、逆に仰天した。「ええぇっ!マジすかっっ!!」と若者のように驚いてしまった。しかし彼女はそのまま「まぁもうねぇ〜、手術しかないですからぁ〜(^^)」と笑顔で言うもんだから、それ以上はなんだかもう何を聞くとか頭回らなくて。そうこうしているうちに学生も来たのでその話はそこまで。元々看護の現場にいた人で臨床の経験も豊富だから、様々な病気に関してその処置や治療の見当もつくから、あまり慌てないんだろうけど、私だったら真っ白になって血の気が引いて「どうしよう!?ああぁ…」とアワアワしてしまいそうなのに、どうしてあんなにサラリと言えるのか…。
来週末にある研究会のことを確認しようとHPを開いたところから、舞踊学会、日本学術学会、STスポット、セッションハウス、コンドルズ、石渕君とたどり着いて、石渕君のブログを少々読んだ。そういえば昨年野和田さんが亡くなったのも癌だった。それは脳に出来た癌、つまり脳腫瘍だったらしい。昨年の前期に良平が話していたのを思い出した。彼女は12月にわかってから半年であっという間だったそうだ。今その近しい人のことをその話と照らし合わせて考えたくはない。けれど、来週打ち合わせすることになっているダンスのテーマとなんだかリンクするようで、偶然というかなんというか。「今日ののこりもの-のこしたもの、のこってしまったもの、のこしたいもの-」が学生から貰ったテーマ。私の人生ももう折り返しだもんなぁ。いや、それも泡沫かもしれないよ。今日はそんな感じの巡り会わせがPCの中で起こった。タイムラグはあるけれど、PCの中のイメージに生きてうごめいている人たちは、実際にかかわりのある人たちだからな。
ポール・ヴァレリーの「魂と舞踊」、読んでみよう。